第502号 海響マラソン参加の巻

円安株高系クラブチームの左大文字の今週の活動予定は無し、代わりに2日に行われた山口県下関市の海響マラソンのレポートをお伝えしよう。

海響マラソンの概要は公式ホームページを見ていただくとして、簡単に説明すると、前半は瀬戸内海側の門司を望む平坦な道のり、後半は日本海側を進むアップダウンの激しいコースレイアウトとなっており、初フルマラソンの筆者からすると距離も勾配も未体験ゾーン。

 スタート直後、周りの流れに合わせて走ってると、程なくして膝痛の前兆がやってくる。気が付かないふりをして走っていたのだが、最初の給水ポイントでペースを確認すると、予定より30秒/㎞早い。こりゃいかんと予定のペースに切り替えると、当然周りにはガンガン抜かれていく。ここで折り返してきたトップ集団にいる猫ひろしがにゃ~。
 12キロ地点で比較的空いてるトイレがあったので、なんとなく行っておいたほうがいい気がしてトイレ休憩。待ち時間に軽くストレッチしてコースに戻ると、膝に激痛が走る。先週の再現である。しかし、ここで歩くともっと痛くなるのは先週で経験済みなので、スピードは遅いものの気合でランニングにもどす。そして急に降りだす雨。痛いわ寒いわ泣きそうになりながらぐっと堪えること20分、スタート地点に戻ってくることにはなんとか落ち着きをとりもどせ、足は張ってるけど体力的にはまだまだ余裕。地獄の後半戦の突入である。
 2時間経過辺りで、ゴール間際のトップランナーとすれ違う。まずは立体交差地点でアップダウンの軽いジャブ。まだ余裕である。それが終わるとこのコース最大の難所、彦島大橋の渡橋、2キロ以上続く上り坂、上から見下ろす日本海は絶景であるが、はるか遠くに見える30キロポイントの出島にこれから行って帰ってくることを考えると気が遠くなりそうになる。しかし、ここで西大路で鍛えた脚力を発揮、歩き始めるFゼッケンのランナーを横目にノンストップで駆け上がることができた。近所の坂をこれほどありがたいと思ったことはこれまでもなかったし、今後もないであろう。
 橋の頂点に到達したら今度は長い下り坂。自分が関わった建物ももうすぐである。しかし、ここでペースを上げてはいけない。慎重に走ったつもりでも、レース記録によるとここで最速ラップをだして建物前を通過、お客さんが沿道で応援してくれて、気力も回復である。
 この辺りから頭に熱が篭ってくる感じがしてくるし、勾配は常に登ってるか降りてるかで落ち着く暇もなく、極めつけは出島に向かう橋。きつい上り坂に加えて強烈な横風で走る者の気力をごっそり持ってかれる。参加賞でもらったゼリーをかじる口実で少し歩くも、ここで再び膝が痛くなる兆しがきたので、以後は歩くとしても10歩以内とルールを決めて、30キロの後半折り返しポイントを通過。ここまで来たアップダウンをもう一回繰り返すと思うと気が遠くなりそうになったが、残り10キロという距離感の掴んでいる現実的な数字に、かすかな希望を託し足を進める。頭のなかのBGMは何故か麦の唄。
 そして最後の関門、復路の彦島大橋が目前に迫る。個人的には壁にしか見えない。でも壁じゃない。廻りを見ると半分以上歩いており、ついつい歩きそうになるが、膝痛の再発が怖いので歩くことも出来ない。苦しみつつも先ほどの10歩ルールを頑なに守り、何とか大橋を攻略。
 橋の後は長い下り坂、距離のコールが残り◯㌔に変わり、残りは歩いても制限時間に間に合うという安心感と、ここまで来たら走るしかないじゃないと言い聞かせて走る。BGMはFFのボス戦闘曲
 前半に置いてかれてた体育会学生風男子がとぼとぼ歩いているのを、ガンガン抜きながらゴールの海峡タワーが見えてくると俄然上がるテンション。既にゴールした人が沿道で応援していて、何故かクソっと思いながら迎える最終コーナー。縮めるべき記録は持ってないけれど、最後の力を振り絞ってダッシュ(本人主観)して無事ゴール。
 目立ったストップもなしに終始目標ペースを保てた事は大きな収穫であった。また、30㎞以降、思いの外体力に余裕があったのも新しい発見であった。伊達に19年MFをやってきたわけではなかったという事だ。完走出来た以上、次回はタイムを縮めることが目標になるわけであるが、あの行程のどこにタイムを縮める余裕が有るのかと考えると、頭が痛くなるのでしばらくマラソンはいいかなと思う筆者であった。