第633号 2投目かぶとむし戦の巻

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包丁を持った人が歩いている、と通報→裏の畑にキャベツを取りに行ったおじいさんでした系クラブチームの左大文字ラクロスクラブは8月24日、鶴見緑地球技場で行われたかぶとむし戦で黒星となった。

当日は小雨ぱらつくあいにくの天気、朝まで降った雨によりグラウンドにはあちこちに水たまりができ、コートが端に寄った形でセッティングされていた。
アップを行おうにもスペースが足りず、オフィシャルからはボールを使ったアップ禁止令が出された。
ゴーリー含めてベンチは4人の予定であったが、試合開始直前になって小林選手から「車が壊れたので行けません」と連絡が入った。
ベンチは3人となり不穏な雰囲気が漂い始める。

1Qで工藤選手が1点を先制、今季初試合となる田中幹人選手、森田選手が得点し3-0とリードしはじめた。
しかし1Q終わりに森田選手が負傷となり退場、不穏な空気はまだ流れ続けている。
3-2と追い上げを食らうも赤木選手が今季初得点。工藤選手も1点獲得、5-2と再び突き放す。
しかしながら3Qに入り岩田選手も負傷退場、ベンチはゴーリー伴仲選手を残し控えはいない状態となってしまった。
工藤選手が1点獲得後、人数に劣る当方のスタミナ切れが目立ち、相手側の猛攻を受けとうとう6-6に追いつかれ4Qに突入してしまう。
負傷していた森田、岩田選手もコートに戻るなど懸命の努力にもかかわらず、6-10と突き放される。
最後に工藤選手が1点を獲得するも、むなしく試合終了となった。

出場選手
坂井、伴仲、田中(聡)、板倉、大槻、志水、赤木、森田、田中(幹人)、近谷、田畑、岩田、三木

得点者
工藤4、田中(幹人)1、森田1、赤木1

結果 左大文字 7 - 10 かぶとむし ●負け

(写真はイメージです)

<今週の懐かしアニメ>

『銀河漂流バイファム』1983,10,21-1984,9,8(全46話)

80年代を代表するアニメとして本作品を紹介したい。
この作品、『ガンダム』にも『ドラえもん』にもなれなかった作品である。
どういう意味か?順を追って解説したい。

70年代に『宇宙戦艦ヤマト』が社会的ブームとなった。
『ヤマト』ブームを分析した日本サンライズ(現・サンライズ)から一つの企画が上がった。
「宇宙版十五少年漂流記を作ろう」それが始まりだった。
当初企画に上がった宇宙船はホワイトベースのみ。宇宙を漂流するわけだからそれで充分である。
だがここでスポンサーから横やりが入る。
「こんな木馬みたいな宇宙船一隻?そんなんで売れるわけないやろ!マジンガーZみたいなロボを出せ!戦闘させろ!」
その結果生まれたのが『機動戦士ガンダム』である。
マジンガーZとガンダムの大きさはともに18m、これは偶然ではない。あえて同じにしているのだ。
その結果最初の『宇宙版十五少年漂流記』というテーマは完全に忘れ去られてしまった。
『宇宙版十五少年漂流記』は『ガンダム』になれなかった。
だがスタッフは『宇宙版十五少年漂流記』を作る夢をあきらめていなかった。
その結果生まれたのが当作品『銀河漂流バイファム』である。

放送時間はTBS、MBS系列で金曜19時から。
日本サンライズ初のゴールデンタイム進出作品となり相当に気合が入っていた。
『バイファム』は『ガンダム』にはなれなかったが、『ガンダム』ですら成し遂げられなかった偉業を達成した。
しかし同時間帯裏番組に待ち構えていたのは国民的アニメ、そう『ドラえもん』である。
熱心なファンはすでに獲得していた。
事実1985年各アニメ雑誌の読者投票では同じ84年公開の『風の谷のナウシカ』『超時空要塞マクロス 愛・覚えていますか』を抑えて1984年ベストアニメダントツの1位を総なめしている。
だが視聴率では当然かなうはずもなく、当初4クールの予定が短縮されて2クールとなることが決められた。
だがファンの熱心な懇願により時間帯を変更しての延長が決定される。
そのためストーリー後半は話の流れがちぐはぐになっていたりする。
『バイファム』は『ドラえもん』にもなれなかった。
だが先進的な試みがいくつもなされている。
たとえばOP曲『Hello, Vifam』はアニメの歌として初めて歌詞はすべて英語で歌われた曲であるし、今まで当たり前だった「宇宙人に侵略される地球と地球人」というありきたりテーマではなく「宇宙人を侵略する地球人」というテーマも斬新であった。
また声優に本物の少年を起用したため(通常少年役には女性声優を起用する)放送期間中に声変わりが起き、最初と最後では別人のような声になっていたりするのも面白い。

この作品で特に注目したいのは最初の方、軍人が多数出てくるシーンである。
この軍人が一人一人めちゃくちゃかっこいい。
第1話にでてきた基地の司令官は最初「今更入植を止めることなどできん!」と発言、よくある頭でっかちな大人かと思いきや、戦闘が始まると「前線の部隊を割いてでも脱出するシャトルを援護せよ」と全力で民間人を守ろうとする。
全ての軍人がそんな感じである。
シャトルを護衛する戦闘機のパイロットとの交信もかっこいいし、シャトルを誘導する顔すら出てこない誘導員の後ろ姿なんかもすごくかっこいいし、個人的は第1話にでてくる基地の女性オペレーターがすごく好きだ。
(ちなみにこの女性オペレーターのシーン、似たようなシーンが『うる星やつら』にも出てくる。スタッフはどうやら『うる星やつら』のこのシーンを模倣したようだ)
軍に協力し砲座に乗り込んだ大人たちも戦闘で続々死んでいく。
マキと砲座に乗り込んだ夫婦(?)との「おばさんよく見て!」のシーンは見ているこちらも「あああ」と言ってしまうこと間違いなし。
その総仕上げが第3話の名もなき中尉である。
彼はブローチに入った家族との写真を見ながら敵に特攻し死んでいく。
彼が回想する、自然の中で穏やかに過ごす家族とのシーンは涙を禁じ得ない。

総監督であった神田武幸氏は満洲からの引き揚げ者だったという。
満洲では本来居留民を守るべき軍隊が、居留民を置きざりにしそそくさと逃げ出すという事態が多発した。
子供を守るべき大人が子供を手放したため、中国残留孤児という問題も発生した。
実際なかにし礼氏や板東英二氏は満洲の奥地に置き去りにされ命からがら日本に引揚げている。
神田氏は1943年生まれだというから引き揚げの直接的な記憶はなかったかもしれない。
だが家族から引き揚げの話は聞かされていたのであろう。
そこで彼が描いた一人一人の名も無き軍人たちは、文字通り自分の生命をかけて民間人を守ろうとする存在であり、また大人たちは生命をかけて子供たちを守ろうとする存在であった。

私がこのアニメを初めて見たときは中学1年、もう20年前のことである。
第1-3話あたりまで人がばたばたと死んでいくシーンは今でも強烈に脳裏に焼き付いている。
なおこの作品、アマゾンプライムで視聴可能なのでぜひ見ていただきたい。
第1話はアマゾンプライムに入ってなくても無料で視聴可能です。

なお本作品を打ち負かした『ドラえもん』も今年10月より放送時間帯が変更される。
これも時代だなあと感じずにはいられない次第である。

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