第663号 オリンピックも閉会しましたねの巻

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【うな重成層圏に到達】系クラブチームの左大文字ラクロスクラブは8月8日、淀川河川公園島本グラウンドにて定期練習を行った。
緊急事態宣言は出たものの結局グラウンドは使えることとなった。
3連休中日でオリンピック閉会式の本日、澄み切った青空が広がっていた。
「先週の試合よりも暑いわー」等とメンバーは口々にぼやき、暑さのあまり川に飛び込もうとした人もいたそう。
すっかり汗をかき切ったメンバーは、そのままお盆休みモードに突入し心豊かなまま帰路に就いた。

■関東のリーグ戦が延期

SNSでの情報によると、関東地方で開催中の学生・社会人リーグ戦が新型コロナウイルスの感染拡大により延期となったようだ。
東京でだけ出ていた3回目の緊急事態宣言の時は社会人のリーグ戦は開催されていたが、とうとう延期となってしまった。
今のところ関西でのリーグ戦は、学生・社会人とも延期になるという話は聞いていないが、今後また延期になるかもしれないので皆さん覚悟されるべし。
「オリンピックやるからええやろ」のオリンピックは終わってしまった。
テレビはコロナの話題ばかりになることが予想され、状況は全く見通せないでいる。
(8月9日時点での情報です)

■今週のコラム『ソンピンさん』

特に書くこともないのでバイトの話でもしたい。
旅行に行きまくった結果かどうかはわからないが、私は会社で見事にパワハラを食らってしまいバイトを始めることにした。
「来週から労働時間半分でいいから。もちろんその分給料はなしね」と言われてしまってはたまったもんじゃない。
仕方ないので昔アルバイトをしていた大阪市役所に頼ることにした。
市役所の花壇に水まきをするだけというたいそう楽なアルバイトだった。
私は採用された。
奈良の田舎もんは一挙に中之島勤務のシティボーイになった。

大阪市役所は中之島を貫く御堂筋に面している。
人々は信号以外で立ち止まることはなく足早に目的地に向かっていく。
その歩みに逆らっている人たちがごく少数いるのだ。私もそのうちの一人だが。
こんな都会のど真ん中で1時間以上も同じところにいる、皆そんなに暇ではない。
だが仕事はいえその世界に放り込まれるといろんなものが見えてくる。
目の前を毎日数千人の人が通り過ぎていく、だが続けていくと何人か見覚えのある人が出てくる。
なぜ見覚えがあるのか?みんなと動きが違うからだ。
さらに詳しく見ていく。
一人一人姿勢も違えば歩き方も違うし視線も違う。
記憶に残る人はいくらでも出てくる。
しかし私は思う。それすらわからないほどに人々に余裕がないのではないのだろうか?

安部公房の小説に『箱男』というものがあった。
男が段ボールに入り、箱に空けた穴を通して世界を見るという作品だ。
男は自分のほかにも箱に入り生活しているものがいることに気づく。
ある日その他者が八百屋で果物を万引きするシーンを見てしまう。
店の主人はそれに気づいていたが、見て見ぬふりをしたのを男は見てしまったのだ。
そこで男は気づく。人々はあえて見たくないものを見なかったことにしているのだ。
結局御堂筋を歩いて行く人々は八百屋の主人とおんなじではないのか?
私は箱男なのか?

一人紹介したい人がいる。
私はいつも通り水まきをしていた。
その女性は朝8時半ごろからメガホン片手に街頭演説を始めた。
片手にはなぜか造花のボタンの花があった。
誰も彼女を見ることなく、声に耳を傾けることなく足早に通り過ぎていく。
私との距離は数十メートル。
けたたましく鳴く蝉の声とひっきりなしに走る車の音にかき消され、彼女の言っていることは全く聞こえない。
ただ時折「おおさか」という言葉が聞こえる。
それ以外は本当に全くわからない。
水まきが進み彼女との距離が近づいてきた。
それでも彼女の言っていることはわからない。
とうとう彼女との距離が数メートルになった。
まだ彼女の言っていることはわからない。
もしかして彼女のしゃべっているのは日本語ではないのか?
耳を凝らす。彼女が喋っているのは中国語だった!
彼女は通勤ラッシュの御堂筋で中国語で演説していたのだ。
花壇のサツキには段ボールに張り付けられたボロボロの画用紙に彼女の主張が書かれていた。
私はサツキに水をあげるためにその段ボールを手に取り、一瞥した。
普通にノートを書く大きさで文字が書かれており、手に取ってみても何が書かれているのかはよくわからなかった。
ただその中に簡体字を見つけた。おそらく彼女は大陸系の方なのだろう。
サツキに水をあげたあと、私はそっとそのボードを元に戻した。

私は思った。選挙の時の街頭演説ってちゃんと聞きやすいようにしゃべっているんだなあと。
騒音の中ではしゃべっているのが日本語なのか中国のなのかすらわからないのだ。
ボードに何が書かれているのかもよくわからないのだ。
ああ、無常とはまさしくこのことなり。
それでも私は彼女を応援している。

一応彼女のことを書いたブログを一件だけ見つけたわ。

【大阪 本町・肥後橋に出現する拡声器おばさんの正体は?】
https://note.com/ngosb_howto/n/n43f7fa5c5403

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