第668号 2021年4戦目の巻

【「2人が喧嘩している」見かねた母親が通報…58歳と51歳の兄弟が殴り合い、同時に逮捕「喧嘩の理由は話したくない」】系クラブチームの左大文字ラクロスクラブは9月26日、鶴見緑地球技場(土の方)にて行われたOLC戦(2回目)で4-5で敗北した。
試合日程が何度も変更された結果朝8時半開始となった。
集合は7時。それでもメンバーのラクロス熱はまだまだ衰えていないようだ。
すっかり日も短くなり、朝も薄暗いうちから家を出たメンバーは眠い目をこすりながら濡れたグラウンドでアップをこなした。
ちなみに16時からだったELKS vs Goldzealer戦は時間の変更なしだったそうだ。え?

開始早々宮田氏がクリアからの華麗なランシューで1点を先制、次に岩田氏、宮成氏が続々と点を取り、3-0で第1Qを終える。
第2Qでは宮成氏が追加点をとった。
チームに余裕ムードすら流れ始める。
1点をとられたものの3点リードのまま迎えた第3Qでまたいつものアレが起きた。
「相手、ゾーンディフェンス取ってる?」と気づき始めた頃だった。
OLCの反撃が始まり、4-4と追いつかれさらに1点を奪われ4-5と逆転されてしまったのだ。
当方のオフェンス陣も焦りはじめミドルシュートに望みを託すがことごとく外してしまう。
そのまま試合は終わった。
本当にあと少しだった。
「これは勝てた!」とメンバーはここ数年見たことがないレベルで悔しさを顔ににじませていた。
というわけで今シーズンの試合は今日で終わりだ。
10日10日の試合はオフィシャルとなる。
来年に向けてできた新たな課題を着実に一歩一歩クリアしていきたいものである。
オフシーズンまでまだまだ練習はある。
人、集まるか?
出場選手(順不同)

松本、中村、大槻、坂井、志水、伴仲、山本、田中、三木、田村、野尻、岩田、舟橋、宮田、宮成、森田、齋藤、佐々木

得点者

2点 宮成
1点 宮田、岩田

結果
4-5 負け●

■今週の試写室『NO』

先週アジェンデについて語ったので今週はピノチェト政権の終焉について取り上げたこの映画を紹介したい。
1973年ピノチェトはアジェンデ政権に対してクーデターを起こし政権を掌握した。
強烈な反共主義者であった彼は独裁をしき、左派を弾圧し、数万人が収容所送りになった。
海外に亡命していたアジェンデ政権の要人を暗殺し、反体制派への拷問には生物化学兵器を使用していたとされる。
当然こういった所業は諸外国からの激しい非難を浴びる。
チリを訪問したローマ法王ヨハネ・パウロ二世からは面と向かって「あなたはただの独裁者だ」といわれるほどであったという。

時は1988年、諸外国からの圧力によってピノチェト政権に対する信任投票が実施されることとなった。
国民投票のテーマは「翌89年3月に任期が切れるピノチェト大統領の任期を8年延長するかどうか」であった。
ここで73年以来民主主義が復活する。
反対派にも意見表明の機会が与えられた。
だがそれは27日間、深夜に15分のテレビ放送のみであった。
政権側は一日中放送をする機会がある。
「反対派の放送などだれも見ない。負けるはずはない」と強気だった。

アジェンデ政権によって国営化された企業の民営化や、大土地所有制の復活によりチリ経済は一時的な好況を見せた。
ピノチェト政権は優秀な学生をアメリカのシカゴ大学に留学させ、そして帰国後は経済政策の立案を担わせた。
そこはシカゴ学派と呼ばれる新自由主義経済の実験場となった。
新たに復活した富裕層は政権側だった。
「私の大切な〇〇は行方不明になったまま帰ってことなかった」というような言葉とは所詮他人事で、チリの奇跡と呼ばれる経済成長の恩恵を十分に受けていた。
彼らは社会主義時代の長い行列に戻りたくなかった。

対する反対派もあきらめムードだった。
どうせ誰も投票に行くわけがない、と思っていた。
事前の世論調査では棄権すると答えた人が76パーセントにも上っていた。
「本気で勝てるとは思っていない。啓蒙が目的」と反体制派が自ら言うほどである。
ここで登場するのが『モーターサイクルダイアリーズ』で若き日のチェ・ゲバラを演じたガルシア・ベルナール演じるレネだ。
彼は弾圧が緩くなったチリに帰国し、民間企業のCM製作に携わっていた。
そんな彼に反対派が白羽の矢を立てた。

彼はあくまで『CM』を作ろうとする。
皆が踊り、そして歌う。
「まるでコーラのCMじゃないか」と反対派の要人は激怒した。
与えられた枠は1日15分、さらにそれを17の政党で分ける。
反対派は様々な政党がの寄せ集めであり、シンボルマークは虹に決まった。
「えーと、〇〇色は××党だっけ?いや、△△党か?」等と烏合の衆であるさまを露呈している。
そしてそれは政権側に馬鹿にされる。
「虹ってゲイのシンボルマークじゃないの?」
ある者はひたすら弾圧の映像を流すことを主張し、そして女性達が「私の息子は行方不明になって帰ってきませんでした」と寂しげに踊る映像を流そうとする。
レネは強硬に反対する。「これもいいが暗い。これじゃ敵の思うつぼだ!」
最初は乗り気ではなかったレネもいつしか本気でのめりこんでいたのだ。

だが反対派のCMが当たった。
「負けるはずはない」と高をくくっていた政権側が少しずつ焦り始めていく。
政権側の広告担当ルチョは実はレネの上司だった。
反対派のCMに使われている曲や踊りをそのまま流用し、「実は彼らはマルクス主義者だ」と最後に付け加えたり、「反対派のCMに出演していた庶民の女性は実は家を3軒所有している」等とネガティブキャンペーンを始める。
反対派に対する尾行や脅迫電話は日増しに激しくなっていった。
投票日直前の世論調査では賛成は50数%、反対40数%まで肉薄していた。

そして投票日、賛成が44パーセント、反対が56%で反対派が勝利し、ピノチェトによる独裁は終焉を迎えた。
勝利に沸き立つ中、レネは反対派の事務所を後にした。

この映画、テイストを出すためにわざわざ1980年代製のビデオカメラとビデオテープを使っていたという。
CMは実際に放送されたものを使用した。
反体制派のリーダーでその後大統領となるパトリシオ・エイルウィンが本人役で出演している。
そのおかげか、実際のアーカーイブ映像と映画のために撮影された映像との見分けが全くつかない。
完全にドキュメンタリーに見える。
一国の歴史の転換点をCMが作ったという様子を臨場感を持ってみることができる。
またCMの好みも千差万別である。
「暗すぎる」とレネが評した『女性達が寂しげに踊るCM』、私は結構好きであある。
そしてこのCMは反体制派に気に入られ実際に採用されている。
おそらくレネが作るようなCMばかり見ていたせいで逆に新鮮に感じられるからかもしれない。
すこし、ACのCMに通じるものがあると思う。
思い返せばコロナの前はひどかった。
歌って踊るCMばかりだった。
ウォークマンのCMで歌って踊り、ポカリスエットのCMで歌って踊り、高校野球のCMで歌って踊り、挙句の果てには万博の誘致PRビデオでも歌って踊っていた。
もうええわと思っていたらコロナが来てそういう密なCMは見かけなくなった。
でもフィッティのCMは良かったと思う。
話がそれた。
ともかくとても面白いので皆さん見てほしい。

↓予告

 

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