第147号 中東に勝利!創部以来最高の3位に大躍進!

「やったー!勝ったでー!」。ホイッスルの瞬間、グラウンドに選手たちの歓喜の声が広がった・・・。
母子ともに健康系クラブチーム左大文字は2日、大阪府の鶴見緑地公園で名古屋の雄・中東ラクロスクラブと3位決定戦で激突。6-5の接戦を制し、左大文字が95年の創部以来の最高順位となる銅メダルの座を手に入れた。会場に訪れた3000人の左ファンからはさかんな拍手が送られ、年度当初の目標通りの3位となった左メンバーを祝福する声がこだました。さっそく地元京都の船岡山前に設けられた記帳台は長蛇の列となり、四条通の商店街ではちょうちん行列、祝電も多く送られてくるなど、市民の間にも「左大文字3位おめでとう」の輪が広がった。

左大文字の今年の目標として掲げたのは、地元へのラクロスの還元と自分たちのレベルアップ。京滋の大学との交流は練習試合や京都カップの開催などでクリアしてきたが、自分たちのレベルアップという目標を最後に試すのが中東戦。それだけに各選手のモチベーションは高かった。またくしくもこの日は、皇太子夫妻の第一子出産の翌日。おめでたい雰囲気のなか、雅子さま出産番だった仲屋選手も無事軟禁から開放され、ほぼベストのメンバーでおめでたムードのなか、フェイスオフ。

最初は攻めはするものの、お互いによく守り、得点を許さないスローなスタートのなか、均衡を破ったのは左大文字のエースAT鶴原。今年は会社の主任に昇進を果たしただけあり、見事なショットで中東G日比野の固い壁を破った。その後もフェイスオフマン安田の奮闘もあって左大文字ペースで試合は進み、三宅から沖中への見事なカットインも決まって突き放しにかかった。
後半に入って徐々に地力を発揮してきた中東に後ろ髪をつかまれそうになるものの、鶴原のミドルなどで点を入れられたら入れ返す理想的な展開で常にリード。ディフェンス陣もG坂井のビッグセーブを中心によく守り、ブレイクから点を許すのみにとどめる。
4Qに入って、グラウンドボールの寄りもなんとか互角でしのいだが、さすがに中東は強い。徐々に点差をつめられ、1点差に追い詰められたところに三宅がゴール前の混戦からゴール。そして2点差の中東も負けじとミドルショットを決め、1点差として追い上げムードだったが、とどめを刺したのは新人ATのラッキーボーイ垂水。切れのよいワンオンワンで勝負して、ゴール前に流れながらのショットが決まり、2点差。中東は最後にエキストラのチャンスを迎え、攻撃を試みたものそのままタイムアップ。

左大文字の選手たちはグラウンドで大はしゃぎ。応援に駆けつけた休部中の大原選手やまだまだ少数ながらも左大文字婦人部の面々などと勝利のよろこびを分かち合っていた。
加来GMは試合を振り返り、「とにかくうれしい。創部当初からいる私にとって3位は過分な恩賞です」と話していた。また3得点とアメリカW杯のハジ(ルーマニア)のような大車輪の活躍を見せた鶴原選手は「おれのシュートみた?みた?みた?」と部員全員に聞いて回り、「あくまで自分を愛する男」をアピールしていた。

<解説>
左大文字は創部以来、毎年恒例となったKOBEとの5位決定戦を経て万年5位の座を死守してきたものの、それ以上はなかなか突き破れない状態が続いていた。そこで今年は強豪のポンセ上方との接戦を制し、上昇をいつも阻まれていた強敵の中東に公式戦では初勝利という結果を残した意味は大きい。
何より、1、2点差という接戦を制することができるようになってきた左大文字。学生時代に大活躍した有名選手というのは大していない雑草集団の左大文字躍進の理由を、加来GMは「星野主将となり、チームのレベルアップと地域に根ざしたクラブチームという方針を明確に掲げて、各幹部が練習メニューの計画を組み、またまわりの部員もサポートしながら練習や試合に臨み、着実にチーム力は向上していった」と分析する。
また今年は一歩引いて左大文字を見つめてきた山本昌宏テクニカルアドバイザーは「来年は何を照準にチーム作りをするのかが重要になる。今年やってきた事に何をプラスするのかをオフの間に各ポジションで十分に論議を尽くして考えねばならない」と指摘する。
今後はオフィシャル面での徹底など、モラル面の向上や、より地域大学との交流を深めていくことを継続していくことがさらなる良いチーム作りを目指すための来年の課題と目される。
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左大文字 VS 中東
6 - 5
勝ち☆

<得点者>
鶴原③、沖中①、三宅①、垂水①

<出場メンバー>
G:坂井
DF:吉井、宮崎、吉田、大槻
LMF:田中、仲屋
MF:梅垣、八木、高井、安田、星野、西端、佐藤、加来、森本、沖中
AT:鶴原、三宅、山田、垂水、行司
マネ:江村、高岸
サポーター:大原、左大文字婦人会のみなさん
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「星野、高井お別れ宣言」

長年左大文字のために選手として活躍し、来年からチームを離れる星野主将と高井選手のお別れ式典が2日の試合後のミーティングであった。メンバーたちはお別れのあいさつのあと、胴上げで2人の前途を祝った。
星野主将は2年間左大文字に在籍。京都大から大学院に行ったため、そのまま左に入部したMF。初試合ではその激しいマンで周囲を驚かせたものの、試合ごとにその勢いは薄れ、得点からも遠ざかっていった。だが、今年は主将に就任し、ゴーリーも経験。痛みを伴う構造改革を目指して部員の意識改革に寄与し、左大文字を3位にまで引っ張った功労者である。またそのおげれつトークにも定評があり、後輩部員からは激しく叱咤される場面も多々見られた。来年からは、これまた日本の将来を不安にさせるのだが、なんと国家公務員となり、官庁でキャリア組となる予定だ。勤務先はまだ決まっていないが、おそらく関西を離れるだろうとのこと。

同じく京都大卒の高井選手はフェイスオフからディフェンス,オフェンスとオールマイティーなMFとして活躍。土曜日夜のNHKお笑い番組を見るのが週末の楽しみで、その笑い声のやかましさで先輩の宮崎祐を悩ませていたこともある。またきれいどころ好きの多い左大文字には珍しく、女性の好みはきわめてマニア。コンパでは好みの女性が一緒にならないことから仲間うちで重宝がられていた。来年からは大学院で研究している米作りのために、フィリピンに再びわたり、東南アジア地域の農業振興に力を尽くしていく予定だ。
式典で星野主将は「2年間本当にこのチームでやっていけてよかった。最後にこんないい成績を残せて本望です」とあいさつ。高井選手も「3、4年したら日本に帰ってくるので、そのときも今と変わらないこのチームのままラクロスを続けていてください」と感謝の言葉を述べ、メンバーによる胴上げが行われた。
楽しくやってきたメンバーが去っていくのはさびしいが、これも2人の前途のため。ぜひとも笑って送ってあげましょう。2人ともお疲れ様でした。そしてありがとう。
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「ふとっちょコンテスト開催。優勝者はオフ開けに決定」

これまた試合後に毎冬恒例のふとっちょコンテストのノミネート会がグラウンド上で開かれた。
参加したのは坂井、佐藤、吉田、西端、山田の各選手。横に並んで腹を突き出して目測。オフ開けに写真を見て腹ので具合を確認して一番腹が出た人を優勝とする。だれもが優勝候補となっているため、これは予想が難しい。
筆頭とされる坂井選手は、「出張続きで土地のうまいもの食べて太った」と主張するが、今冬はなんとダイエット宣言。続く山田氏は腹よりも見るからに横幅が増えており、そちらのほうも順調。西端氏はエグザスに通っているという不利な要素をまったく感じさせない迫力あるボディーで肉薄。吉田選手は学生でその腹なら、社会人になったらどうなるのかがとても心配だ。佐藤氏は腹の出具合よりもコンパのほうが大切らしい。
部員のみんなはホームページ上の写真を見て、しっかりとオフ開けに5人の腹を確認しましょう。
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「祝勝会、焼肉で大盛り上がり!」

列島全域が「左大文字3位入賞」の祝福ムードが広がるなか、メンバーたちは2日の試合後、鶴見緑地公園近くの焼肉屋で祝勝会を開いた。ひたすら食らう選手、セクハラする選手、暴飲暴食で腹を下す選手、泣いて泣いて飲まれて飲んで選手などさまざまな人間模様を漂わせながら、大盛り上がりの大団円となった。
祝勝会には婦人会の面々も参加。牛海面状脳症(BSE)で売上低迷に悩む焼肉店を22人と大人数で繁盛させたろうと、さっそく3000円食べ放題コースを選択。焼肉を食べながら、試合を振り返ったり、プレーを誉めたりけなしたりしながらも、マネージャーへのセクハラトークもしっかりと忘れず、一部の選手が連れてきた婦人会会員への取材もしっかりと済ませ、勝利の美酒によっていた。
美酒によいすぎてべろべろの選手も約1名できあがり、これまでの苦難の中東戦を振り返りながら仮面のはずれたアシュラマンのごとく感極まって涙も見せた。O選手はしっかりと放尿も済ませ、助手席で無事に帰ったのでほかのメンバーはご心配なく。
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「リクルートシーズン突入!来年のためにも奮起を」

リーグ戦の公式日程も終え、いよいよオフに入る左大文字。そこで部員に求められるのが来年のための部員勧誘活動だ。ポンセ上方は2日に大々的な練習会を開いて現学生の部員獲得に動くなど、クラブチーム界では世間の就職活動とまったく逆の売り手市場。若者のハートを動かすべく、青田買いは年々早まるばかり。
うちらも負けていられない。さっそく左大文字では12月中にもホームページで新人勧誘ページを作ってPRしていく予定だ。また部員も各卒業校にわざとらしく練習にいって、ついでを装って現学生の勧誘活動に励んでもらいたい。
すでに左大文字広報部には名DF吉井氏を輩出した名門京都産業大からDF鈴井くんらが参加したい由を連絡してきてくれた。母校がどこの部にいるのかもしらないでかい先輩に触発されたのであろうか?ともかく人数が毎年かつかつの左大文字にはありがたい新戦力となってくれるだろう。そんな後輩をみな探してくれ。それではよろしく。
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<忘年会のお知らせ>

12月15日(土)に京都の木屋町六角の「さざんか亭六角店」で午後6時から忘年会が催されます。費用は5000円くらい。種目はちゃんこ鍋。8日までに出欠連絡を幹事の仲屋までにメールで知らせてください。

<今週のコラム>
 今週は久しぶりの登場しただじゃれ系コラムニスト大原氏の作品。

「左大文字の一員であること:プライスレス!」

歴史的勝利を収められた選手やマネジャーの皆さん、おめでとうございます。観戦という立場ではありますが、その場にいることができてたいへん満足しています。ただ、左大文字の応援が少なかったのは残念ですね。好試合だっただけに、多くの人に見てもらいたかった。そうすれば、もっと熱い声援を送ることができたでしょう。
でも、声を出さずに応援する方法もありますよね。大リーグ中継などでよく目にするプラカードによる応援です。プラカードのメッセージを選手が直接見ることもあるでしょうが、球場内の大画面に映し出されると、そのメッセージが何千、何万の人に伝わります。テレビ中継を含めたら何千万人が目にすることもあり得る非常に効率のよいアピール方法です。
さて、日本ではどうでしょうか。この種のアピールで思い出すのは、プラカードに自分の名前を書いてテレビに映そうとする人たちです。プロレス中継がいわゆるゴールデンタイムに放映されていた頃に良く見られた光景でした。
このカード、画用紙にペンで書き込んだ程度のもの、を持っていたのは中高生が多かったですね。次の日、学校で「俺の名前、テレビ出てた?」と触れ回っていたことでしょう。でも、最近はアメリカ風のプラカードによる応援が日本のプロ野球やJリーグなどで普及してきたようです。 私はこの種の応援の経験はありませんが、テレビ中継に映し出されるのは至難の業でしょう。プロレス中継なら、レスラーが通る花道の脇にカードを掲げれば、テレビ画面に映し出されます。でも、野球場やサッカー場では選手と観客との距離がありますから、観客の意図によって画面に割り込むことはできません。そこで、重要となるのが、プラカードに書かれた文句の内容です。
自分の名前を書くなんてのは論外で、ひねりの効いた文句を書き込まないといけません。 大リーグのワールドシリーズでは次の文句を書き込んだプラカードを少女が掲げていて、その写真が新聞で伝えられていました。

World Series Tickets : 260$
Stadium Food: 150$
Being an American: Priceless!

テロ事件後、愛国心が高まっているアメリカ人のみならず、見逃せない文句ですよね。この写真はロイターという通信社が配信したようですので、多くの国々でこの写真が見られたことでしょう。こうなるともう応援の域を脱している部分がありますね。
球場の食べ物の値段が高すぎないかとツッコミを入れたくなりますが、それは置いといて、最後の文句を左大文字と置き換えたら良い響きになると思いませんか。

「左大文字の一員であること:プライスレス!」

左大文字の今年の取り組みと今日の勝利とをたたえるのにピッタリだと思います。 ただし、プライスレスという言葉は、「金では買えない、大変貴重な」という意味のほかに、「おかしな、実にばかげた」という意味も持っています。左大文字の場合は両方兼ね備えているような、そんな気がします。皆さん怒らないでくださいね。これが左大文字のいいところでもあるんですから。冗談はともかく、おめでとうございました                          (今週の筆者  休部中DF 大原 悟務) 

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