20世紀最後の名門・左大文字ラクロスクラブのメール部報「週刊左大文字」が今回、とうとう記念すべき100号を達成した。週刊左大文字編集部(仲屋聡編集長)は、2年に及び毎週発行してきた苦難の日々を振り返り感慨にふけっている。9日夜には三重県二見町の高級旅館で「100号突破記念パーティー」も開かれ、関係者ら約500人が出席。日本ラクロス界初の偉業を祝った。
「週刊左大文字」は部員の連絡手段としてEメールを使って1999年1月に創刊。以来毎週、練習状況や部員の夜の動向などを事細かに送信してきた。はじめは部員内だけの部報だったが、国会で可決した「クラブチーム情報公開法」に基づいて、公式ホームページに掲載することを決断。それが思わぬ好評を呼び、部員外の閲覧者も急増。米国のクリントン大統領やリビアのカダフィ大佐、はたまたマイクロソフトのビルゲイツさんも「お気に入り」に登録しているという。しかし、慢性的なネタ不足から石器発掘ばりに捏造記事も横行。山口大蔵選手と山本昌宏アドバイザーとの確執を描いた「山山戦争」もやらせと分かり、編集部では「魔が差したということです」と釈明会見も行う不祥事も起こしたことも事実。この事件について花岡清秋・京都学院大教授(マスメディア論)は「捏造はいただけないが、週刊左大文字が関西のラクロッサーに与えた好影響ははかりしれないものがある。ラクロッサー以外からも週刊左大文字を読んでから『学校でいじめられなくなった』『男が好きだったが、ちゃんと女性を愛せるようになった』『つぶれかけていた会社が立ち直った』などと読後感想も寄せられ、社会に貢献している効果は如実に表れている。社会的現象にもなった週刊左大文字は本年度の流行語大賞に選ばれてもおかしくないのでは?」と指摘している。
なにわともあれ100号を突破することができ、くんずほずれつ記念パーティーでは、京都在住の左大文字イメージアーティスト・倉木麻衣さんもかけつけ花束贈呈も行われ、編集部員も大満足。会のはじめに仲屋編集長は「軽い気持ちで始めたメール部報だが、協力者も一部あり、なんとかこれまで続けてこれました。これからは21世紀、後継者育成も含めてより長く続けていけるように仕事もそこそこさぼりながら頑張りたいです。願わくば、部員のみんなもっとコラムを書いてね」とあいさつした。その後、伊勢エビ立食パーティーなど多彩な催しがあり、部員たちも酒に飲まれながら楽しんでいた。
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<社告>
週刊左大文字100号記念‐「週刊左大文字の軌跡~そのとき編集部は」単行本発売。1500円(週刊左大文字編集部発刊)。予約は近くの書店まで。
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「恒例の温泉慰安旅行、伊勢方面で満喫!高井選手酒乱発覚」
最低でも金、最高でも金系クラブチーム左大文字の毎年恒例となるV旅行(バカりょこう)が9日から1泊2日で、三重県二見町の温泉旅館であり、選び抜かれた部員9人が名物の海水温泉や伊勢エビのフルコースなどで楽しいひとときを過ごし、1年間の激闘の疲れを癒した。
年末の忙しい時期ということもあり、旅行には沖中主将をはじめ、高井、宮崎祐、西端、鶴原、八木、森本、鈴木、仲屋の9人が参戦。しかし、旅行のはじめからトラブル発生。午後1時に名神大津PA集合が大阪組が遅れに遅れ、約1時間の遅刻。そして信楽方面を抜けるかなりデンジャラスな道路を通って伊勢道へ。陽もくれかけた午後6時ごろ、二見町の温泉旅館に到着した。
旅館ではさっそく美人若女将(推定年齢26歳)が出迎え、部員たちも満足顔。風呂へ直行して汗を流し、万全の体制で宴会に臨んだ。宴会では、美人若女将が給仕接待に来ると思いきや、百戦錬磨のベテラン仲居(推定年齢51歳)が登場。げっそりした顔で沖中主将が乾杯の音頭をとり、週刊左大文字100号突破記念パーティーを兼ねた宴会開始!
ビール、日本酒なんでもありのなか、バタくんだけは料理に集中。伊勢エビをまるごと平らげ、船盛りの大根にいたるまですべてを処理していた。宴会中盤になると次第に酔っ払う選手が続出。ここにきてフレッシュマン・高井が大ブレイク。ベテラン仲居の攻撃を一手に引き受け、あつかんを痛飲。ベテラン仲居とのじゃれあいもすませ、森首相もびっくりの失言を連発し、大盛り上がりを見せていた。
宴会終了後、部員たちは酒や食料の買出しに鳥羽市まで出張。そしてまた高井が財布をタクシーに忘れる失態を犯し、気が動転。ホテルのフロントを土足で走り回って叫んでいた。部屋での2次会でも勢いは止まらず、京大の先輩・宮崎祐にも暴言連発=写真左上=と思いきや、突然、携帯電話でわけのわからん相手に次々と電話。携帯を投げては他人にしゃべらせ、自分は叫び倒していた。ちなみに翌日の高井選手は「すべてまったく記憶にありません、なんじゃそりゃー、しらねー」と話し、心の刑務所で後悔の日々を送っているという。
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「温泉旅行2日目、夫婦岩を見学!周囲のカップルからは蔑みのまなざし」
深夜までアホトークミーティングで今年の反省を終えた部員たちは、10日朝はさっそく朝風呂を体験。アルコール臭い体を湯に沈め、日の出にお祈り。一部の部員はおみやげコーナーで若女将を口説くものの見事に失敗し、敗戦気分で温泉旅館をあとにした。
部員たちがまず向かったのは、近くの夫婦岩。面子から見たら、まったく無縁の場所だが、一応観光地を網羅せねばという思いから一応到着。しかし、場所が場所だけにかなりのつがいムード。いかにももてなさそうな男9人の集団はまさに異様で、周囲のカップルから白眼視されながら歩きながらも、カップルに記念写真=写真=を撮ってもらっていた。名勝夫婦岩を見た部員たちは「単に岩と岩、縄でつないだだけやんけ」とばちあたりな悪態をつき、その後は伊勢方面に向かい伊勢神宮周辺を徘徊しながら帰途についた。
旅行を終えて部員たちは「予想以上に交通費、宿泊費が高くついたが、なかなか楽しい旅行でした。来年は積み立てをして臨みたいです」と話していた。
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<トピックス>
「全日本選手権決勝はバレンティアとラガマフィンズ」
ラクロス日本一のチームを決める全日本ラクロス選手権が9日開幕。関西勢は神戸大、関学大ともに敗退し、決勝はバレンティアとラガマフィンズの関東勢同士で争われることになった。ちなみに両チームはクラブ選手権決勝でも対決。そのときはバレンティアが優勝している。決勝戦は17日にラクロッサーの聖地・東京都の江戸川陸上競技場で行われる。
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<今週のコラム>
「週刊左大文字100号発刊に思う」
みなさんの協力もあり、なんとか週刊左大文字が記念すべき100号を迎えました。ほんとうにありがとうございました。なにげないことのように思えますが、あって当たり前というプレッシャーの中、毎週続けていくことはかなりしんどいことでありました。途中で「隔週くらいにしてもええんちゃうかな?」と思ったりもしましたが、HP掲載で部員外の方からも応援のメールをいただくようになり、引くに引かれぬ状況となったことも続けてこれた理由の一つに挙げられると思います。
まあ、あと自分のなかで大切にしていたことといえば、「情報公開」という信念です。クラブチームというものはえてして閉鎖的なムードに陥りがちなコミュニティーであります。身内だけで盛り上がって、他の人からはなにか近寄りがたいというチームの雰囲気だけはなんとか避けたいと思っていました。このところ関西のクラブチームもほとんどがHPを持つようになり、チームの内容が分かるようになってきましたが、なかなか活動内容までに踏み込むチームは多くはありませんでした。
そんななか、「何とかチームの活動とメンバーの雰囲気をわかってもらおう」と始めたHPへの部報掲載が、小林、早瀬、行司など、左大文字新世代の選手たちの入部に結びついてくれたことは喜ばずにはいられません。情報公開が見事に成功した例といえるでしょう。
現在、宮城県では情報公開に熱心な浅野知事と県警との情報公開条例の制定をめぐる暗闘がくりひろげられています。それほど情報というものは争うほどの価値があり、時には力をも持つものであります。使い方を間違ったらえらいことになる代物でもあります。だからこそ広報は両刃の刃ともいえますな。
もちろんこの週刊左大文字でも、公開できない情報というものはたくさんあります。しかし、できる限り公開できるように心がけてきたつもりです。もともと興味の持ってもらいないようなところは情報公開の意味がありません。興味を持ってもらえるからこそ、その情報をみなが知りたがるのです。左大文字ではみんなに興味を持ってもらえるようなチームを目指してこれからも、部員外へも積極的に情報を公開していきたいと思っています。
いよいよ21世紀に入り、新たに100号台で継続していく週刊左大文字のこれからの課題は、発信するのみで双方向にはなりえていないところ。もっと部員内外のレスポンスを期待できるような紙面つくりをこころがけ、編集部員以外の寄稿文を常に掲載できるように「みんなの週刊左大文字」にする事が私の理想であります。そんなこんなでますます発展をこころがけていくつもりなので、懲りずにどうぞ「週刊左大文字」を見てやって、そして参加したってください。これからもよろしくお願いします。
(週刊左大文字編集長 仲屋聡)