トルシエ系クラブチームの左大文字は10日、大阪府の鶴見緑地公園で関西クラブチームリーグ第2戦目「KGモルツ」と対戦。AT陣の大活躍で25対1で大勝し、次の中東ラクロスクラブ戦へ大きなステップとした。
1戦目にHELPに惨敗した左大文字にとって、2試合目は仕切りなおしの大事な戦い。相手のKGモルツは関学の1回生が主体とはいえ、かつて「ザ・パーフェクト」の異名をとったAT千田選手などがミックスされており、手強い相手。次の中東戦へいいイメージでつなげるためにも大勝することが絶対条件。
試合には、祖父の葬式で実家に帰っていたLMF仲屋も大阪空港からタクシーで7000円も使って駆けつけ、ほぼフルメンバーで気合を入れて試合に臨んだ。
試合序盤は、キャップ沖中、学生時代も含め公式戦初得点となる感動の安田のショット、今年デビューの早瀬などMF陣が活躍。三宅、山田などAT陣も確実に決め、一気に差を付けた。しかし、あまりの楽勝ペースにオフェンス陣の歯車が狂い、なんでもありの雑な攻撃が目立つようになる。普段の練習にないプレーが多くなり、点は入るがおかしなムード。異変に気づいた首脳陣はハーフタイムで改めて引き締めを図り、基本的な攻撃を心がけて後半戦に臨んだ。
↑リーグ初得点の人たち(他にも多数)
引き締めが効を奏し、一気にたたみ掛ける左大文字は三宅、山田のATコンビの4得点、ベテランAT鶴原も3得点と気を吐き、若手AT小林、行司もリーグ戦初得点で会心のガッツポーズ。勢いに乗じてMF陣も、とうとうベールを脱いだ増村もブレイクからの得点、「恋も慎重派」の松本もクリース前5センチでの確実ショット、そしてGM加来も2点目を狙いにいったが、見事にポロリとしっかりとオチもつけ試合終了。気づい てみればATを中心としたオフェンス陣の活躍で左大文字の大勝だった。
しかし、エキストラでの無得点、ワンワンからの1失点などまだまだ課題も多いため、左大文字首脳陣は「大勝はしたが、気を引き締めねばならぬ。大儀であった」と、次の中東戦に向けて今度練習で調整していくことを試合後の記者会見で話していた。
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<試合結果>
左大文字 対 KGモルツ
25 - 1 WIN☆
<得点者>
三宅④、山田④、鶴原③、行司②、松本②、安田、沖中、早瀬、加来、西端、清島、増村、森本、小林、八木
<メンバー>
G:青木、衣袋
DF:大原、吉井、青野、宮崎智、服部
LMF:仲屋
MF:増村、早瀬、森本、竹志、八木、梅垣、安田、松本、加来、星野、西端、高井、沖中
AT:鶴原、行司、小林、山田、三宅、清島、宮崎、芝
マネ:江村
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<学生トピックス>
「龍谷大、関学に大金星。学生も京都勢大躍進!」
名門左大文字の鶴原、八木、増村、服部選手などの卒業校で、京都の雄である龍谷大は9日、服部緑地公園で関西学院大と対戦し、7対6で辛勝、大金星をあげた。この日の左大文字と共に、京都勢が西ノ宮勢にそろって勝った事から、左大文字メンバーも大喜び。今後も京都勢の学生チームの活躍をお祈りいたします。
<クラブチームトピックス>
「強いぞ!KOBE」
昨年まで左大文字と必ず5位決定戦を争っていたKOBEが大変身を遂げている。初戦にPONSE上方に引き分け、9日鶴見緑地で行ったナニワ戦でも大健闘。途中雷がなったためノーゲームとなったが、テクニシャンチームらしいそつないオフェンスでナニワ相手に1歩も引かないKOBEに周囲の観客から感嘆のためいきがもれていた。ラクロス三都物語を形成するチームとして今後のナニワブロックでの健闘をお祈りいたしております。
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<今週のコラム>
「求む!フロントスクリーン」
多くの野球場には,センター後方に濃い緑色の壁,いわゆるバックスクリーンが設けられている。この壁は打者が投手の投球を見やすくするためのものだ。 では,投手が捕手に投球しやすい配慮はなされているだろうか。私の知る限り,フロントスクリーンとでも呼べるような壁を見たことはない。したがって,投手から はバックネット裏の雑然とした光景が視野に入ることだろう。 さて,プロ野球のテレビ中継で,このバックネット裏の観客が手を振る姿をよく目にする。名前を書いた板を掲げる者もいる。彼らはお目当ての選手を応援しているのではなく,携帯電話で知人と連絡を取り,テレビに自分が映っていることを確認して 喜んでいるようだ。
投球に際し,投手の視線は捕手に向けられるから,このような観客から悪影響を受けることは少ないだろう。でも,あの姿は見苦しい。何とかならないものか。フロントスクリーンを設けられたら良いが,現実的な策ではない。観客のモラルを向上させ るか,観客を選別するしか手はないだろう。 そこで,テレビ画面に収まるような特等席の観客には,厳しい規則を加えたらどうだろうか。野球ファンとしての良俗に反する行為をした場合,席替えを命じるのである。それから,野球ファンであるかを事前に確認するのも一つの方法である。プロ野球に関する問題を出し,合格者にのみ特等席券を販売するのである。
ところで,競技によって,応援方法の規則が異なるのは興味深い。ゴルフやテニスでは,「静粛に」という札が頻繁に掲げられる。野球の投手がストライクゾーンの端を狙う行為もこれらの競技に劣らず,心の集中を要するはずなのだが。逆に,ゴルフやテニスの方が繊細すぎるのだろうか。 ともかく,その競技に精通した善良なファンが優遇されることを期待したい。
(今週の筆者 DF大原悟務)