リーグ戦が1週間後にせまる1日、われわれのメール機関紙「週刊左大文字」が記念すべき第30号を突破。左大文字広報部では、リーグ戦とともに記念式典の準備に忙しい。
週刊左大文字は、部員内の情報を共有する狙いで、今年1月から電子メールを利用して広報部が発刊した。練習試合の結果から、夜の懇親会の様子まで幅広い内容が若者の心をつかみ、ホームページ上にも掲載されていることから、部員外にも国内、海外ともに愛読者が激増しているという。
しかし、30号発刊までは楽な道のりではなかった。毎週、各部員の情報の持ちより、コラムの投稿などで食いつなぐ日々が続き、苦しい執筆活動が広報部内の編集局で続いていた。ニュース、コラムの寄稿者が固定化してしまい、発刊当初目指してい た「部員内の双方向メディア」という理想から遠のくなど問題点も指摘されており、 改善のため編集局では、ホームページ作成とともに徹夜の日々が続いていた。
広報部の仲屋聡編集長は、30号発刊の抱負を「皆さんの協力でここまでくることができました。慢性的なネタ不足のため、今後はホームページ掲示板には重要な事項は書かず、直接編集局にネタを投稿してくださいませ」と苦しいながらも感慨深げに話していた。
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「8月の練習予定決まる。いよいよ8日開幕戦」
左大文字上層部は1日、8月の練習、試合の予定を発表した。当面は8日のナニワラクロスクラブとの開幕戦に向けて調整にあてる。16日の左大文字創立記念日は、 毎年恒例の送り火見学を嵐山にて行う予定。左大文字と鳥居の送り火を眺めて、夏の終わりを実感する高尚な企画です。
8月 7日(土) 洛西浄化センター 9:00~
8日(日) -関西社会人リーグ第1戦 VSなにわL.C.-
場所:鶴見緑地球技場 10:30集合
(場所がわからない人はだれかに聞くなりしてください)
14日(土) 洛西浄化センター 9:00~
16日(月) -左大文字の日(五山の送り火の日)-
嵐山東公園 14:00~
*練習後、送り火でも見ながら飲みませんか?
21日(土) 洛西浄化センター 9:00~
28日(土) 場所未定ですが、どっかで練習 or 試合
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<特集>
「関西クラブチーム戦力分析」
いよいよ8日に開幕する関西クラブチームラクロスリーグ戦。わが左大文字は初戦はナニワラクロスクラブと当たるわけだが、気になるのはいろんなチームの補強状況。HELPはイギリス遠征で力をつけ、KGモルツの復活、新興チームポンセ上方の出現などで、 2強の地位はゆるぎないであろうが、面白くなりそうな気配を見せている。そんな各チームの今年の状況はどうなっているのか?
◎優勝候補筆頭まちがいなし 「ナニワラクロスクラブ」
いわずと知れた関西の強豪。今年は元関西学院のMF高橋、DF鵜飼のほかは目立った補強は見られず、ほぼ昨年までのメンバーで試合に臨む。吉田、植田などJAPAN級の選手を多数擁している。昨年はあと1歩のところで全国制覇を逃しただけに、今年への意気込みは十分。小原、富永がヘルプに移籍したが、選手層が厚く気にならない。難敵ヘルプとの対戦に焦点をしぼる。
◎目指すはナニワ対戦へ 「HELP」
関西2強の一角。万年2位の呼び名を返上すべく、今年はイギリス遠征をおこなうなど気合入りまくり。今春のプレミアカップではナニワも破る成長を見せた。補強状況は、宿敵ナニワから、DF富永、MF小原を獲得。新人では、反応ピカイチのスーパーG伊藤の加入が大きい。1番の難所と言われていたGの補強で、主将廣井を中心とするディフェンスの安定感は大きく増した。あとは勝永、入田を中心としたオフェンス陣の奮起で念願の初優勝を狙う。
◎ダークホース的存在 「大阪ラクロスクラブ」
昨年は3位と大躍進を見せた大阪ラクロスクラブ。着実に力をつけてきており、メ ンバーも定着して安定したチーム運営が光る。今年は新チームが誕生したこともあり、とくに目立った補強が聞こえてこないが、本当にラクロス好きな人が自分たちからやりたくて参加していく部員加入体制に好感がもてる。MF亀井、村島などが中心となったオフェンス主体のチームになりそう。今季、学生、クラブチームとの練習試合でも安定した成績をあげている強豪チーム。
◎堅守のディフェンス 「中東ラクロスクラブ」
毎年安定した戦いを見せる中東ラクロスクラブ。我が左大文字との練習試合で、主将北川が足の腱を切るアクシデントがあり、戦力低下が心配されるが、そこは堅守が売りのディフェンス陣でカバー。なんといっても元日本代表Gの日比野の存在感が大きい。オフェンス陣でも昨年、東海学生リーグMVPのアタッカーの加入など好材料が豊富。左大文字にとって、ナニワブロックで大きな壁となる相手。
◎増した安定感 「KOBE」
左大文字、大阪L・Cとともに「ラクロス三都物語」を形成する神戸の名門ラクロスクラブ。最近は1回生チームの匂いを払拭し、社会人主体のクラブチームとして運営の安定化が増してきた。当初は人数不足が指摘されてはいたが、神戸大、神戸学院大OBを中心に徐々にメンバーが集まった。オールラウンドプレイヤー井口を中心にチームが結束。ビッグネームが少ないながらも強力なオフェンス陣でヘルプブロックをかき回すか?
◎頑張れ1回生 「SOLT」
神戸大、大阪市大などの1回生が中心となって運営するかわいいチーム。昨年は全ての試合で20点以上の大差で敗退している。頑張ってとしかいいようがない。
◎2強時代に殴りこみ 「PONSE上方ラクロスクラブ」
昨年度卒業生のエリートたちを集め、今年創設された新興チーム。関西2強時代をぶち壊すべく参戦。本格派の選手が多いだけに、新人勧誘時期はナニワ、ヘルプとどちらか迷う選手が多かったようだ。Gには安川、鈴木の2枚看板を擁し、ATには新川、山尾、MFには奈須野、綿などオフェンス陣も強力だが、難点は人数不足のロング陣。社会人だけに休みがでたときのDFの状況が心配される。若いだけに人数不足でも大丈夫か?流れによってはヘルプブロックでの台風の目となるかも。
◎懐かしの復活劇 「KGモルツ」
関西学院大OBと関学現役の1回生によるチーム。でもSOLTと違うのは結構OBが多いってこと。AT千田、MF目崎、G黒田などかつては関西で名をはせたベスト10どもが勢ぞろい。1回生主体といえども油断はできない。つぼにはまれば怖いチームではある。
◎そして今年は・・・ 「左大文字ラクロスクラブ」
京都の名門、左大文字は今年は補強に大成功。宮崎、星野、竹志など京大強力オフェンス陣を加え、一気に偏差値アップ。ほかにも滋賀大から小林、大国大から、芝、鈴木。京都工芸繊維大から扇谷、ヘルプから移籍の三宅などオフェンス陣は充実。当初、人数不足が指摘されていたディフェンスでは、元関西強化選手の宮崎智を獲得。立命館大元主将の西川も加入し安定感を増した。今年は左大文字史上最大の人数で試合に臨む。楽しむラクロスからの脱皮が出来るか?とにかく決勝トーナメント出場をめざして練習に励む。
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<今週の読書室>
「秋山真之」 中村晃 PHP研究所 1750円
最近、産経新聞の連載小説で「『坂の上の雲』を読み返す」という企画をやってい るので、懐かしくなりついつい秋山の本を買ってきて読み返してしまいました。
秋山真之は1904年の日露戦争開戦後、日本の存亡をかけた日本海海戦で、ロシアのロジェストウェンスキー率いるバルチック艦隊を破る作戦を練り上げた日本海軍最高の参謀。連合艦隊司令長官の東郷平八郎だけがスポットライトを浴びがちですが、かれのすごさは司馬遼太郎の小説とこの本を読めばすぐ理解できます。
秋山は天才とされてはいますが、その裏には多大な努力があることがわかります。 戦国時代の海賊の戦法を手本にして勉強し、寝る間も惜しんで海軍の作戦に費やす姿は天才といえども磨かねばただの人ということが感じさせられます。
そういえば昔、Jリーグのガンバ大阪にMFで磯貝という選手がいたでしょう?帝京高出身で、天才とよばれ、日本代表に選ばれたりはしたのですが、結局最後は浦和に移籍し、花の咲く間もないまま引退して今はゴルフ選手やってます。あの磯貝なんかは、「天才を劣悪な環境で育てた例である」と当時のサッカー雑誌に酷評されていました。かれは才能はあったんですが、磨く努力をしなかったんですね。ラクロスをしていても同じような例を見ることが多々あります。
そんなことにならないためにも秋山の話は読んでおいて損はないでしょう。同郷松山出身の俳人、正岡子規とのからみもなかなかおもしろいですね。あまり、かきすぎると日露戦争オタクがばれてしまうので、まあ夏の1冊として、司馬遼太郎の「坂の上の雲」とともに読んでみたらいかが?
(今週の筆者 LMF仲屋聡)